奏の森 Jazz
1/12(月祝)
<Open> 13時~ <Start> 13時30分~

太田裕士 Message
僕と中村真さんとの出逢いは、残念ながら10月に急逝してしまった友人、木下智夫さんからの紹介でした。木下さんは精神に障がいを持ちながら、心からジャズを愛していて、僕の演奏をとても好きでいてくれました。ちなみに、僕と木下さんとの出逢いは、駒ヶ根の精神病院の喫煙所でした。お互い退院してからは、木下さんは僕が飯田でライブをやる時は必ず聴きにきてくれ、そのたび熱い評論をFBにアップしてくれました。 そんな木下さんから、中村真さんを飯田に呼んでソロコンサートをしてもらうことになったから太田くんゲストで来て吹いてくれないか?という誘いをいただき、もちろん!ということで、それが僕と真さんの初共演となりました。中村真さんの名前は昔からいろいろなところで耳にはしていたのですが、実際に演奏を聴いたことはありませんでした。 場所は公民館の一室。グランドピアノの前にパイプ椅子に数人のお客さん、という、なんとも素朴な光景の中でのジャズピアノのソロでしたが、真さんのプレイはとても素晴らしかったです。その時はスタンダードと完全即興を演奏したのですが、感覚的に自由になるところと、端正なジャズのサウンドを行き来するそのバランス具合が絶妙なのと、ピアノの音色とボイシングが特に素晴らしいと感じながら、どんな曲を選んだらいいかな、と緊張しながら考えていました。事前のリハーサルでお会いしてAll the〜か何かのスタンダードを一緒にデュオでやったのですが、「本番は何か違う曲をやろう。何をやるかはやる時までに考えておいて。」という感じだったのです。真さんのソロでの選曲も、その時浮かんできた曲をやるというやり方だった たので、僕も、演奏の直前まで曲を決めないでいました。ちょうど、その初共演の演奏がYoutubeに残っているので、紹介してみます。そういうわけで動画の始めに、「何やる?」「じゃあ〜で。」と話しています。何を演奏するか?どう始めるか?どう展開するか?どう終わるか?など、事前の打ち合わせがない分、よりインスピレーションとお互いのサウンドに対する耳や反応などがダイレクトにサウンドになるので、まさにジャズ的な難しさと面白さを感じながらの演奏になりました。動画のアップは5年前ですが、もしかしたら演奏はもう少し前だったかも知れません。 https://youtu.be/LD6W9MiD1sg 木下さんは、この演奏をとても気に入ってくれて、ことあるごとにFBで紹介してくれました。今の自分から見ると、自分の音やタイムの粗さや、楽器の操作の下手さに呆れますが、そのかわり勢いやその場で出来る精一杯のことをやっている感は今でも伝わってきて、いい演奏だったかな、と感じます。やっていてとても熱くなったのはよく覚えています。 終演後は木下さんの家の近くの焼き肉屋さんで飲みながら話し込みました。真さんが僕のことを評して言った言葉で、「吹いている内容は普通のことを吹いているように聴こえるんだけど、一緒にやってみると、狂ってるのが伝わってくる。」というのを言われましたが、狂っている、というのは、真さん流の褒め言葉のようで、嬉しい言葉です。まあ、実際にも狂っているのですが。 その場で意気投合し、再共演を約束したのですが、その後、真さんの埼玉のご自宅でのコンサートでのデュオや、横浜でのデュオ、真さんと同郷で古い友人でもあるベーシストの山口裕之さんとのトリオ、真さんのトリオである落合康介くん(ベース)と大村亘くん(ドラム)との大惨事トリオ+僕、など、東京、横浜、埼玉などでのさまざまな演奏に誘ってくださいました。それぞれ毎回違うフィーリングになるけれども、いつもとても刺激的なライブになりました。 長くなりましたが、そんな中村真さんと、とてもひさびさにデュオでライブを、伊那谷で1月11.12日の2日間に渡って演奏させていただきます。詳細は追ってアップしますので、ぜひ予定を空けて、聴きにいらしていただけたら、とても嬉しいです。 僕たちを繋いでくれた天国の木下さんにも届くような演奏ができたら、と思っています。
You don’t know what love is… 中村真ソロライブ guest 太田裕士

1972年1月14日大阪府豊中市生まれ。
邦楽家の父の影響で幼少の頃より音楽に親しみ、4歳からピアノを始める。高校時代よりジャズに傾倒し、独学でジャズピアノを学ぶ。
大学在学中よりプロ活動を開始し、関西を中心とした音楽活動を展開後、2000年上京。数多くのアーティストのアルバムやコンサートに参加。綾戸智恵のコンサートツアー等にも参加。
ライブハウスやコンサート会場を行き来するだけの演奏活動に漠然と疑問を持つようになり、自転車による全国ソロピアノツアーを企画。
現在「にはたづみプロジェクト」という名称で、ワークショップやコンサート事業、レコードレーベル運営、銀座のアートスペース「space潦」運営等の複数の組織運営を通して、非営利の団体による21世紀の新しい芸術活動のあり方及び、芸術活動保証のあり方を提案している。
また近年では埼玉県東松山市に住まいを移し、農業を営みながら活動を続けている。
スタンダードやオリジナル、日本唱歌、純粋即興等、ジャンルにこだわらない彼のピアノの特徴の一つに、美しく多層的な音色がある。ジャズという言葉だけでは到底語ることは出来ない。
これまでに五作のソロアルバム、四作のピアノトリオでのアルバムをリリース、アーティストのプロデュースも行っている。

上伊那郡宮田村出身。6歳よりピアノ、15歳よりよりアルトサックスを始める。慶應義塾大学ジャズ研に所属中より都内ライブハウスを中心に活動を始め、太田市ビッグバンドコンテストでは優秀ソリスト賞受賞。プロとして国内ツアーの他、ドイツ・ベルリンへの演奏旅行なども行う。二十代後半で帰郷。2004年、和歌山県熊野・奈良県天河への旅路にて、自然を音楽にしていくという独自の音楽表現の方向性を見つける。現在は、中川村「奏の森」を活動の拠点としながら、自然と人との調和を音楽で表現していくことを目指しながら、ジャンルを超えて活動している。
